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ikechu’s 本棚

☆小説☆絵本☆脚本

☆color~orange①

 あの時、ああしとけば良かっただなんてそんな事
思っても意味がない事は分かってる。 
あの海を見た日、あの雪の降る日。
貴方は何を思って笑っていたのかな?
何を感じて泣いていたのかな?

人の気持ちなんて分からない、そんなの当たり前だ。分かろうとしても、分かった気になっていただけで、確信に迫らない狡い距離を保っていたのは私だ。 
幾度となく、感じた痛みも動き続けた想いも
きっといつかは忘れてしまうんだろう。
それでいい。
手を離さないと守れない。今を。
アナタを。

「ん、、、」
気持ちいい潮風が癖毛をなびかせる。
無防備に眠るアナタは、フワリと微笑んでまた眠った。変わらない、その微笑み。
それだけを守れたならかまわない。
世間も過去もなにかを忘れても。
昔も今もアナタだけが、私の生きる意味だから。

ねえ、まみや?
今でも雪がすき?
海を見ると泣けてくる?

私は眠るアナタに、あの日を重ね問いかけた。